従業員持株会_資産形成13

従業員持株会
従業員持株制度は自社株を従業員が購入・保有できる制度です。
従業員持株会では、従業員の給与・賞与から一定額を天引きし、これを集めた資金で自社株を購入します。従業員は拠出額に応じて配当金を得られる仕組みになっています。


メリット
①奨励金がある
奨励金は、従業員持株会への加入促進において強いけん引力を持つため、多くの企業が導入しています。


②配当金・キャピタルゲインを得られる
会社で出た利益の一部を株主に還元するのが配当金です。配当金は「一株あたりいくら」という形で還元されるので、株式数を多く持っているほどリターンが大きくなります。また、購入時の価格に対して株価が上昇すればその差額が収益となります。この収益がキャピタルゲインです。


③少額から株式を買える
従業員持株会は毎月一定の金額で自社株を購入できます。少額から株を購入できる点もメリットの一つに挙げられます。


④財産形成の手間がかからない
毎月の収入から少しずつ貯蓄しようと思っても、自己管理が難しく、実際にはなかなか貯められないことも少なくありません。従業員持株会に加入すると、毎月自動的に給与や賞与から一定額が差し引かれ、自社株の購入に回ります。



デメリット
①会社への依存度が高くなる
会社の業績が落ちた場合、株価も下落する可能性が高くなるため、保有資産が目減りすることがあります。また、業績悪化により給与や賞与が下がる可能性も出てきます。最悪の場合は、勤務先が倒産して収入と資産の両方を失う事態が想定されます。


②株主優待はもらえない
従業員持株会では、株式を購入しても株主優待は受けられません。これは、自社株の購入を個人名義の証券口座で行っているわけではなく、持株会の名義で行っているためです。


③すぐに売却できない
株を売買する際は、最低売買数量である1単元ごとになります。個人名義の証券口座を持っている必要があり、そこに持株会の株を出庫すれば売買が可能です。ただし、個人口座をつくるところから手続きを行うと、数週間を要することもあります。そのため、株価が下落したので損切のために売りたい、といったことに対応するのは難しいです。